2017年9月4日月曜日

英語、始めました……? 

今日届いた本:

右から順に、まずは献本2冊。

コリン・バレット『ヤングスキンズ』田栗美奈子、下林悠治訳(作品社)
(寡聞にして知らなかった作家だ。読みます)

J.M.G.ル・クレジオ『心は燃える』中地義和訳(作品社)
(中にスペイン語やガリシア語の表記、というか文章や単語が少し出てきて、確認を頼まれたので、中地さんからいただいたのだ)

そして左端は:

鈴木長十、伊藤和雄共編『新・基本英文700選』(駿台文庫、2002)

いわゆる駿台の『700選』だ。

説明しよう:

ちょっと前にFacebook上で管啓次郎さんが、どうすれば英語ができるようになるかという質問に答える形で、何らかの文章をカードに書き写し、それを覚えるようにすることだと書いていた。そして、たぶん、ご自身の教え子向けに、毎日のように数行の英文(その後、それに仏文が加わった)の引用を掲載するようになった。

管さんの意見には大いに賛成。もっとも、彼がそうして挙げてくださる英文や仏文を書き写して覚えることはしていないのだが……

で、ふと思い出したのだ、俺の『700選』はどこに行ったのだ? と。そして、なくなっていることに気づいた。

高校時代の参考書などのうち、世界史の図録や資料集と政経の参考書、それに国語便覧などを手許に置いている。その手許に置く参考書のひとつに『700選』があったはずなのに、いつ間にかなくしてしまっていたのだ。

僕たちの高校では英語教師が独自に英文の『600選』というのを作っていた。それを僕たちに覚えさせていた。これはとても役に立ったと思っている。これはもちろん、『700選』の模倣というか、それをモデルにしたローカル版だ。本家・駿台より100文少ないところがわが校の志の足りないところというべきだろうか? ともかく、『700選』という本家があることを知り、それを手に入れて、これも大いに参考にしていた。僕が高校時代に憶えている学習と言えば、これとZ会の通信添削くらいだ。

で、高校を出てからも、大学に入ってからも、大学院に入ってからも常に手許に……本棚に置いていた。国語便覧や世界史資料集とともに。世界史の資料集などは数年に一度新版を買うから、常にそこにあることがわかるのだが、問題は買い換えずに高校時代からずっと同じもののまま置いていた『700選』だ。これをいつの間にか捨ててしまっていたらしいのだ。まあ、だいたい開くこともなくなっていたし……

で、管さんの試みに触れたとき、この本のことを思い出し、なくなっていることを確認し、でもそのままにしておいた。

2、3日前にアマゾンである本を注文しようとしたとき、ふと、この『700選』のことを思い出し、検索してみたら、あった。だから注文した。それが届いたという次第。

『新・……」なので、僕が持っていたものとは少し違うはず。少なくともCD2枚つきではある。当時はCDなんかついていなかった。

そして今、CDは特に必要ないかな、と思う。

……いや、待てよ。これを話題の(?)「スピードラーニング」のように聞き流しにしたりすれば、僕もいつか、無意識に英語が口をついて出てくる日が来るかな? 

えへへ……

聞いてみた。何も考えずに聞き流したり、こうして文章を書きながら聞いたりすると意味がすぐに立ち上がらない文章がたまに紛れ込む。

テクストを見れば、覚えた記憶(記憶した記憶!)のない文章も散見される。ボルヘスの言うように、学びの最終段階は忘れることにあるから、これらの文章を文字どおりに記憶している必要はないし、大半は、今さらおぼえるまでもないような文章だが、確かに、自分で発話する際にものにしていない構文や表現を含む例文も多々あって、今さらながら勉強不足を痛感する。索引つきなので句動詞やイディオムの検索にも使える。

さ、英語を勉強するぞ、と……

ところで、こんな感じのものがスペイン語やフランス語、イタリア語などであるといいと思うのだが、ざっと見たところ、フランス語やイタリア語にはないようだ(かつて、フランス語のもので、何か学習に使っていたような記憶があるのだが、手許にないし、アマゾンで検索する限りでは、ない)。スペイン語ではあるにはあるが、古いもののようだ(やはり瓜谷良平の『スペイン語基本文2000』だかを使っていたような気もするのだが、同じく手許になく、確認できない)。ポルトガル語には『ポルトガル語重要基本構文275』というのがある。これは275の熟語表現と、それを使った800ばかりの文章の本のようだ。ちょっと取り寄せてみようか? 

で、スベイン語教師たちに言いたい。こんな感じの参考書、作らないか? 『基本スペイン文○○百選』。買うんだけどな。教育目的で。


そして、他の言語もいかが? フランス語やイタリア語、買うんだけどな。勉強のために。