2017年4月19日水曜日

引き返せない4月

先日、実に濃厚なメンバーと読んできた。

滝口悠生『死んでいない者』(文藝春秋、2016)

ある人物の通夜に集った親類(故人の子とその子たち)の様子をなめらかに移動する複数の視線で描いたもの。

特に大きな物語が生起するわけではないが、語り口と語りの妙によって楽しく読ませる一篇だ。

語り口、というのは、視点人物によって多少変化するが、おそらく最も中心となる人物・知花(故人の3番目の子、次女多恵の娘)のそれが、いかにも2015年の時点で17歳の高校生らしいもので、とりわけ面白い。通常の引きこもりとはいささか趣を異にする引きこもりの兄・義之との関係が微妙で、それを「やばい」だの「エロい」だのという言葉でしか表すことができないとしながらも、その関係を説明する様々な出来事を想起し、あるいは捏造していく過程が面白い。

こうしたことについて数時間、みんなでああでもないこうでもないと語ったのだった。

ところで、最近、こんなものを机の上に置いてみた。

まあ、なんということはないCDプレイヤーだ。これまで机とは違う場所に置いていたのだが、その場所であまり使わないことに気づいたから。

そしてまた、Bluetoothつきなので、iPadからの(Macからのでもいいが)音楽を聴くスピーカーにもなる。本当は、Bluetoothのスピーカーだけでもいいのではないかと思ったのだが、ともかく、遊んでいる機器が一台あるのだから、それを有効に使ってみた。


遅れ馳せながら定額で音楽聴き放題のサービスを利用し始めた。月額980円なら月に1枚CDを買う者でも元は取れるとの観測からだ。ただし、このサービスに提供されていない楽曲、CDなどはあるわけだから、そういうのを手に入れようとすると、当然、それはまた別の支出になるわけだが。