2016年7月27日水曜日

語るかも

パトリシオ・グスマン『チリの闘い』3部作(チリ、フランス、キューバ、1975-1978)

を試写会で観てきた。日本語字幕つきをスクリーンで、3部通しで観るのははじめてだ。

改めて思うことは、これは3部通しで見た方がいい、ということ。1部と2部の対称の構成がみごとだからだ。そして総括のような意味を持つ3部のその意味がよくわかるからだ。

第1部は「ブルジョワジーの叛乱」。アジェンデ政権打倒のためにブルジョワたちが(合衆国の後ろ盾を得て)ボイコットやデモを仕掛ける、その政権打倒のための記録だけれども、冒頭は9.11のクーデタの際の大統領官邸空爆の映像で始まり、最後に6月の最初のクーデタの試みで幕を閉じる。フランス人のカメラマンが銃弾を受けて倒れる寸前に撮った映像だ。

第2部「クーデター」はこの1部の最後の映像から始まり、日を追う形で最終的なクーデタまでの動向を追う。そして最後にまた、9.11の官邸空爆の映像。そんな風に対称をなすというわけだ。


それにしても、クーデタ直前、内戦の予感を皆が抱いているチリの空気の不穏さは、2002年のカラカスをも思い出させるし、現在の東京にも比せそうだ。このタイミングで公開されることの説得力!