2014年9月10日水曜日

レオーネの呪縛? あるいはセルヒオはいつになったら正しく呼んでもらえるのだろう?

スカラ座……じゃなかった、歌舞伎座の前を通り、見てきた。スカラ座……じゃなくて、


試写に呼んでいただいたのだ。

離婚して妻のもとにいる息子セルヒオ(ガブリエル・デルガード/ただし、字幕ではセルジオ。あれだけはっきりみんなセルオと発音しているのに)への面会日に、彼を連れて貴金属店強盗に押し入ったホセ(ウーゴ・シルバ)は、行きずりの強盗仲間アントニオ(マリオ・カサス)らとともにフランスに逃亡しようとする。国境近くの町、バスク地方のスガラムルディを通るが、そこは中世の魔女裁判で有名なところで、魔女たちは今も生きつづけていて、彼女たちに捕まってしまい……

思うに映画は秘密結社の儀式(集団的狂気、松明、生け贄……)とそれを天井から覗き見る、そしてそこに割って入って攪乱するヒーローというのをたくさん描いてきた。今、デ・ラ・イグレシアは、その秘密結社を魔女たちの集団として、そこに人食いやら(場合によってはゾンビやら)のモチーフまで詰め込み、とことん再利用して、いかにも彼らしい破滅的な物語に仕上げておかしい。

何しろ魔女が扱われるのだ。最初からそれをつくり出す男性中心主義が揶揄されていて愉快だ。結末(つまり、誰が死に、誰が生き残るか)に不満を抱く者もいるかもしれないが(なんだ、結局愛が地球を救うのか、と)、魔女はまたゾンビでもあるのだ……と書いたらバレてしまいそうだが……

ともかく、魔女たちの儀式のクライマックスが面白い。おかしい。伏線は貼られていたはずなのに、びっくりする。『ゴースト・バスターズ』のような衝撃だ。笑撃だ。


……さすがだ。