2013年5月5日日曜日

人はコーヒーのためにのみ生きるのではない


ちょっと前にアントニオ・ロペス展などに行ったせいか、石神井公園に散歩に行っても、水面の光を捉えたくなってしまう。

なんちゃって。

スターバックスに「ミディアム・ロースト」を名乗る豆が売っていた。250グラムで。

常々言っているように、ぼくは深煎りの豆というのが嫌いだ。ある種の豆の酸味を消し、苦みだけを際立たせるからだ。エスプレッソだって深煎りではない豆で淹れた方が美味しい。エスプレッソを深煎りにするのは、輸送に時間がかかっていた時代に、鮮度をごまかすために採った方策にすぎない。それだけのことなのだ。

で、「アメリカン」などと揶揄されるほど薄いコーヒーを飲んでいた人々が、イタリア式のエスプレッソに出会って驚き、濃さと深さを取り違え、その真似をして、しかしその実、そこから展開したバリエーション(フラペチーノだなんたらだ、など……けっ! 邪道だぜ)でポピュラリティーを獲得した、といった態のスターバックスなど、片腹痛い存在なのだった。

……ま、たまには使うけどね。

でもまあ、そのスターバックスの所業だ。もっと疑ってかかるべきだった。おお、そうか、ミディアム・ローストか。中煎りか。コロンビアがあるではないか。買ってみよう。と買ってしまったのだ。

やれやれ。しかしこれは、もう立派な深煎りだと思うな。そんな代物だった。コロンビアをこんなに深く煎っちゃいけない。台無しだ。

とはいえ、縮小経済を生きる身だ。そう簡単には捨てられない。悩ましい話だ。