2013年2月19日火曜日

雪の六本木、美味しい食事とすてきな部屋


雪の日に六本木まで行ってきた。試写会にご招待いただいたので、観に行ったのだ。

ホルヘ・コイラ『朝食、昼食、そして夕食』(スペイン/アルゼンチン、2010)

原題を 18 comidas という。『18食』だ。朝食、昼食、夕食の三食三章、合計18の食事シーンから成り立つ(数えていないけど、たぶん、18食なのだと思う。だって、そんなタイトルなんだもん)映画。幾人かの登場人物が複数の食事シーンを渡り歩くことによってストーリーに関連性が生まれる。

中心的なプロットは3つ。1)製作も務めるルイス・トルサ演じるストリート・ミュージシャンと、昔お互いに惹かれ合いながらも結ばれなかったかつての友人女性ソル(エスペランサ・ペドレーニョ)との久しぶりの出会い。2)俳優ヴラドが仕事仲間のラウラを誘い、朝食、昼食、夕食と準備するが、すっぽかされ続ける話。3)ビクトル(ビクトル・クラビッホ)とセルヒオ(セルヒオ・ペリス=メンチェタ)のホモのカップルとビクトルの兄との久しぶりの会見と会食。いずれも繊細な心理描写が心にいたい。

3箇所を除いて食事はいずれも誰かの住居でのものなのだが、引っ越しを控えたぼくとしては、食事もともかくそれぞれの部屋も気になるところ。映画だから当然なのだが、すてきなところばかりだ。ちなみに、舞台はサンティアーゴ・デ・コンポステーラ。ガリシア語もふんだんだ。

気になることがひとつ。ビクトルとセルヒオのシーンで、兄を迎えるために料理の準備をしているとき、セルヒオが『苺とチョコレート』のセリフを引用する。この映画はスペインのゲイ文化の参照系を構成しているということだろうか?

4月27日から新宿K'sシネマにて公開。