2012年11月13日火曜日

告知ふたつ、あるいは詩人気分


他人のイベントの話ばかりしている場合ではない。ぼく自身の宣伝。

まず、明後日、15日(木)12:40-14:10 東京外国語大学研究講義棟101マルチメディアホールにて、
マリオ・ピエドラさん(ハバナ大学)の講演を行います。「キューバにおける日本映画の存在と影響」。
スペイン語、通訳つき。総合文化研究所講演会、兼スペイン語特別授業

それから、今月23日(金・祝)には、ぼくが講演することになっている@神奈川大学。告知は、こちら

当初、「ボラーニョとチリ文学」というようなテーマで頼むと言われていたけれども、そのうち「ボラーニョと『野生の探偵たち』」になったので、『野生の探偵たち』の面白いところについて、話しておこうかと思う。講演の後に詩の朗読会が開かれるのだから、小説内の詩的要素についての話になるかと思う。

 小説は書き出しが命です。ボラーニョの『野生の探偵たち』は書き出しが非常に印象的な小説です。
 そういえば、最近私は、書き出しのとても印象的な小説に出会いました。キルメン・ウリベ『ビルバオ―ニューヨーク―ビルバオ』(金子奈美訳、白水社)です。「魚と樹は似ている」と始まります。わたしはこれを「さかな と き は にている」と読んでいました。ところが、先日、セルバンテス文化センターで作家本人を招いての講演+朗読会を開いた際、管啓次郎さんはこれを「うお と き は にている」と読みました。
 そこでわたしはうおー! と思ったわけです。あるいはぎょっとしたわけです……

と、こんなダジャレめいたことを言うと、あまり、説得力ないかな? いや、でも書きだしに加えて、その読み方によって小説の魅力はその数倍にもなるのだとわかった瞬間なのだけどな。

まあ、ウリベはともかく、そんなわけで、読み方にも気をつけなきゃね、という話……なのか? ところどころ本文を朗読しながら話を進めていこうと思っているというわけだ。