2012年4月2日月曜日

1940年代に思いを馳せる

朝から学長に呼び出され、もっと真面目に仕事しろとお叱りを受けた。

というのは嘘。辞令をもらってきただけだ。

で月曜日なのに今日は開館日だったので、東京国立近代美術館にジャクソン・ポロック展を見に行った。キャンパスメンバーズ会員ではないと言われ、通常料金で。おかしいなあ……

著作権上問題があるだろうか? どなたか教えていただきたい。問題があるなら、削除する。写真は、館内で買った絵はがきを撮ったもの。左が1939-41年の作品無題の構成(コンポジション)(ちなみに右は50年の代表作「インディアン・レッドの地の壁画」。今回の目玉だ。たぶん)。ピカソやらエルンスト(ロプロプ鳥)やらを思わせるモチーフに、どくろ、卵、蛇など、……何かに似ていないか? ウィフレード・ラムだ。ラムの『ジャングル』は、ちなみに、1943年。

さて、1944年、ポロックは「アメリカだけで成り立つ絵画」an isolated American painting など「ばかげている」absurd と発言している。「アメリカだけで成り立つ絵画」というのが、30年代には盛んに議論されたのだと。

同じころ、クレメント・グリーンバーグは「深くオリジナルな芸術はどれも最初は醜く見えるものだ」として「醜い」と言われた(らしい)この時代のポロック作品を擁護している。

同じころ、似たような絵(というのはあまりにも乱暴か?)を描いたラムは、40年代のうちに、実にアメリカ的(といっても、これはアメリカ合衆国〔のみ〕を意味してはいないが)として評価されたのだ。トーテムなどをトピックとして活用し、醜いと言われ、「孤立したアメリカ」isolated America などばからしいと切り捨てたポロックは、シケイロスなどの影響もあって、右の作品へと向かった。

うむ。ひとつの分岐点なのだ、1940年代。