2011年6月22日水曜日

Premio Nobelを拝聴する

スペイン語でPremioというと、「賞」の意と「受賞者」の意がある。Premio Nobelとは、したがって、「ノーベル賞受賞者」の意でもある。

昨日のこと、セルバンテス文化センターにマリオ・バルガス=リョサの講演を聴きに行った。ぼんやりしていて申し込みが遅れたので、6階の図書館でのモニター観覧となった。回線の混乱があって、日本語訳が聞こえたりスペイン語が聞こえたりして、人々があちこち行ったり来たり。まあ日本語でも理解できるので、ぼくは行き来せずに日本語翻訳の流れた部屋で聞いた。

「子犬たち」や『都会と犬ども』、『緑の家』、『ラ・カテドラルでの対話』、『パンタレオン大尉と女たち』の成立のことなどを即興で、楽しそうに話していた。

余談だが、ぼくがセルバンテス文化センターに到着したら、大江健三郎も到着していた。彼はセンターの人々のお出迎えを受けていた。ぼくはすごすごと横を通ってエレベーターに乗った。

……当然の扱いだが。

東京ブックフェアにはフリオ・リャマサーレスなどが来るようだ。

今日は東大で同じくバルガス=リョサの講演会があった。が、ぼくは今日は教授会の日、東大に行ったなんておおっぴらに言えないじゃないか。

もしぼくの姿が外語の大会議室にあったら、ぼくは職務を優先させたということ。もしぼくの姿が東大本郷キャンパス、法文2号館1番教室にあったとしたら、仕事をさぼったということ。

さて、どっちだったでしょう? あくまでも秘密だ。

ふふふ。

ところで、バルガス=リョサの小説の中でぼくのいちばん好きな作品(かもしれない)『密林の語り部』が岩波で文庫化されるそうだ。バルガス=リョサは東大から名誉博士号を授与されたらしい。