2011年6月2日木曜日

クロスメディアで楽しめ!

『「シューマンの指」音楽集』(ソニー・ミュージック、2011)

奥泉光『シューマンの指』(講談社、2010)で言及されるシューマンの楽曲をキーシン、ホロヴィッツ、仲道郁代らの演奏をコンパイルしてできた6枚組。なんと、3000円! 

奥泉の小説が出たとき、講談社のサイトで何曲かキーとなる曲をmp3かmp4で聴けるというサービスがあった。そのとき、できればCDにして欲しいな、とぼくはツイッターに書いたものだが、そうした要求が多かったのだろうか、今、こうして実現した次第。

でも意外とぼくはシューマン、何枚か持っているのだけど、きちんと確認したわけではないが、おそらく、このコンピレーションに収められた演奏、演者のものはないと思う。たとえばクライスレリアーナはぼくが持っているのは、アシュケナージ。このアルバムでは小山実稚恵。聴き比べてみることとしようじゃないか。

村上春樹にはごく初期のころ、彼が言及した音楽についての解説を集めた本があったように記憶する。『村上レシピ』なんて料理本もあった。『風の歌を聴け』で鼠が食べていた、ホットケーキにコーラをかける、なんてものまで再現されていて笑ったものだが、ともかく、そんなのがあった。そうした例を、これははるかにしのぐ快挙だ。クロスメディアで楽しめ、『シューマンの指』!