2010年6月27日日曜日

文化の無償制について考えた

 ごめんなさい。


 今まで黙っていたけど、

 ……わたくし、……

 買っちゃいました! iPad。

 いいよね? 週に12コマ+αなんて、非常勤暮らしのフリーのインテリくらいの数の授業に追われて、加えて趣旨もわからなければ賛同もできない他者の満足感をかなえるための仕事もして、そのためにあちこちに連絡し、しかられ、最後には断られ、なんてことがあって、翻訳とか著書とか出したはいいけど、義理を欠いてはなるまいと、自腹であまりにも多くの人に献本したりするものだから、印税なんて半分くらいなくなって、損ばかりしているんだから、たまには、わがままな買い物しても、いいよね?

 ……って、おれはいったい誰に言い訳しているのだ? 

 まあ、iPadといったって、たかがタッチパネルPCなわけで、それ以上の期待はしていないんだが、思ったよりAPPと呼ばれる専用のソフトが充実している。電子書籍としてのあり方がやたらと喧伝されていたように思ったが、その根拠たるiBooksはともかく、i文庫HDなんて人気のソフトがあり、青空文庫その他の書籍がかなりの点数、読めることを発見。「青空文庫なんて」と鼻であしらうひともいるにはいるが、知的文化財を無償で奉仕しようと、日夜入力に努める人々の善意を思うとき、ぼくはこうしたものを鼻で笑う気にはなれない。尊いものだと思う。

 で、一方、今日は「青空文庫」でなく、iBooksの無償の書籍でエマ・ラザルスの詩集などを読んでいたのだった。先の仕事に少し関係してくるかもしれないので、だ。

 やれやれ、また仕事のことを考えているのだから、世話はない。でも、i文庫HDもなかなかだが、iBooksの作りも楽しい。たいていの電子書籍にはブックマーク機能がついている。さすがに書き込みはできないのだけど、この機能の有用性はもっと喧伝していいと思う。

 ちなみに、Wi-Fiだけのものだ。3Gなし。