2010年6月12日土曜日

到着

 昨夜、ちょっと遅めに帰宅すると、届いていた。『野生の探偵たち』第2刷。いくつか訂正を入れたので、明らかな誤植などが直っているはず。


 ついでに、これまでに出た書評のコピーなども送ってくださった。

 陣野俊史さん:「なんだろ、これ」。この書き出しの書評は、それによって対象小説(『野生の探偵たち』)の「はらわたリアリズム」という第1語に伍さんとするものか。

 野谷文昭さん:これについては以前書いた。

 越川芳明さん:「本作は、21世紀の地球人の象徴としての亡命者や移民の姿を、社会の底辺の視点からしっかり見据え、個人史と世界史を巧妙に交錯させた斬新な政治小説だ」。ふむふむ。それが『2666』に至ってさらに顕著になるんだよな。

 『東京新聞』「文芸時評」欄で取り上げてくださった沼野充義さん:「卑俗な現実に直接わたり合いながらパワーに満ちたフィクションの世界をまだまだ構築する可能性があるのだと思えてくる。その意味でこれは、とても元気づけられる小説である」。高橋源一郎の小説への言及の直後になされたもの。

 ちなみに、沼野さんの訳されたナボコフ『賜物』(河出書房新社)は、『野生の探偵たち』とほぼ同時期に出版され、評判を博している。

 今日はこれから法政市ヶ谷キャンパスでの仕事。現在、非常勤で多摩キャンパスに行っているのだが、そしてそれは元同僚のゼミの代講なのだが、彼の流儀に従い、年に一度の発表会だ。