2009年10月16日金曜日

本に「冊」という単位はない

今朝、いつも通る東八道路が、この数年ではじめてのことだが、殺人的渋滞に見舞われていて、途中で道を変えて大学まで行った。

帰宅してポストに見いだしたのが、

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』(左右社、2009)

ご恵贈いただいたのだ。こんなまるで救いのようなタイトルの本を! そしてすぐに見いだしたのが、表題の1文。「本に「冊」という単位はない」。もちろん、優れているのは、この後。「あらゆる本はあらゆる本へと、あるゆるページはあらゆるページへと、瞬時のうちに連結されてはまた離れることをくりかえしている」(8-9ページ)

これを導く渡辺一夫やヴァルター・ベンヤミン、クロード・レヴィ=ストロースらのエピソードが楽しい。ちなみに、ここに引用されているベンヤミンの読書録の通し番号の話、ぼくはスーザン・ソンタグのベンヤミン論で読んだ。もちろん、この本にこうした情報の後に「(ということをどこかで読んだ)」と書いてあったとしても、それは戦略的レトリックだ。と思う。