2009年6月22日月曜日

雨が降る、イワシが降る


雨のしたたるあじさい。こんなものに涙を落とす日々。

……なんちゃって。

なにやら忙しかった。ぼくらの仕事にも秘密にしなければならないものがいくつかあって、そんなものにかかずらわっていた日にゃ、がんじがらめになる。

そうこうする間も、何の因果か、「ヨーロッパを考える」などという授業の担当回が差し迫ってきて、さて、どのように授業を組み立てたものかと思案に暮れる。

6月の5日、ペルーの軍隊がアマソニーア地方の住民と衝突して犠牲者が出た事件に関連して、所属する学会の所属するグループが声明などを出し、その賛同を得ようとしてMLで呼びかけ、みんながそれに返答する形で賛意を表明するものだから、たまりかねて、頼むよ、こうしたことは差出人だけに返答しようよ、と訴える者があり、いや、その気持ちはわかるのだけど、こうした場合だからMLメンバー全員に知らせることが必要なのだとの反論も寄せられ、メールボックスにメールがあふれた。

ぼくたちはこうした厄介さとつきあわなければならない。

今日、大学に着いたら、ちょうど行き交った2年の学生から、「先生は学生時代、どんな学生でしたか?」「なんで今の職業に就こうと思ったんですか?」との本質的な質問。彼らは彼らなりに人生の厄介さに思い悩んでいるらしい。

『1Q84』は暴力と可能世界、オウム真理教に取材した成果であろうある種のコミューンのあり方などが展開されていて、気に入っている。実は、たとえば『ねじまき鳥クロニクル』や『海辺のカフカ』は今ひとつ気に入らなかったのだが、これは久々に良いと思っている。

でも最近、ある学生の出身高校にオタマジャクシが降ったなどというニュースが流れ、イワシの降ったところすらあるらしいと聞き、ああ、これは村上春樹だな、と『海辺のカフカ』を思い出した。