2009年4月24日金曜日

鬱々と希望を抱いて

人を鬱病にしないではいられないタイプの人間がいる。そんな人物から、なんでこんな時期にこんなことでこんなところに書留郵便で送ってくるかな、という郵便物を1時限後の、金曜唯一の空き時間に受け取り、事務室を出た瞬間、しゃがみ込みたいようなめまいに襲われた。ぼくは自分を哀れんで涙を流す者は愚か者だと思っているが、愚かな涙を自分のために流したくなった。人前で。衆人環視の中で。そうしたらどれだけ楽だったことか。

話はそれるが、昨日のこと、ある学生が研究室にやってきて、泣き言を言った。ある国に留学に行くつもりで準備していたのだが、出発を翌々日に控えているというのに、1ヶ月半ほど前に申請したビザがまだ発行されていないのだとか。

やれやれ。本当にこの国の在日大使館領事部の仕事ぶりと来たら、毎度のこととはいえ、悪名高い。押しかけていって発行するまではテコでも動かないと粘ればいいのだとアドバイスした。もちろん、学生はそれで納得するはずはない。でもなあ、他にしようがないじゃないか。

で、今日、その学生は出かけていって1時間粘り、ビザを出してもらったのだそうだ。メールが届いていた。

当然だ。書類がそろっているのだから、出るものなのだ。本当は3日もあれば充分なのだ。でもでかした! タフにゴネてネゴる。それしかない。それがこんな国で生きていく唯一の方策。

1年講読、空き時間、昼休み、地域基礎、3年ゼミ、卒論ゼミ。

卒論ゼミは参加者に1パラグラフずつ(あるいはそれ以上)を提出していただいてみんなで読み、質問やアドバイスを交わすという形式を、今年、実験的に採用している。なるほど、道筋が見えてきそうだと、希望を見いだしたらしい学生の感想。