2009年2月12日木曜日

時間について考える

昨日愚痴を言った仕事は終わった。やれやれ。

それで、別の仕事のために、やはりこの分野を扱うなら古典的な1冊だし、読んでおくべきだろうと思って取り寄せたのが、

シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界 I 』原田義人訳(みすず書房、1999)

これは原田訳で1952年に出たものが、彼の死後、幾人かの手によって改訂され、まず1961年、ツヴァイク全集第一次第17巻として出され、73年、同全集第二次第19巻になった。全集とは別個に出されたのが1999年ということ。

しかも! 2006年に第2刷が出ている!

うーむ。7年かけて2刷が出るなんてことがあるんだな、こんな硬派な本でも。ぼくも希望を捨てないでおこう、などと思うのだった。ちなみに、今、机の上でその隣に置いた、日本のある学者の本は1993年発行で95年に2刷が出ている。

学者の本でも2刷が出るのだな。ぼくも希望を捨てないでおこう。

ツヴァイクの『昨日の世界』は、そういえば、最近出たジャン・クレール『クリムトとピカソ、一九〇七年――裸体と規範』松浦寿夫訳(水声社、2009)にも言及されていたな。「一九〇五年から一九一五年にかけての十年間のあいだに、シゥテファン・ツヴァイクが「昨日の世界」として思い出すこの古きヨーロッパのあらゆる国々で、ほとんど同時に出現した深い変容」……(11ページ)と。